APD (聴覚情報処理障害)/ LiD (聞き取り困難症)
家族や友人と話をしているときに、相手にちゃんと聞いていないと指摘されたり、聞きかえしが多いと指摘されたりすることはないでしょうか。
聴力検査も特に異常といわれたことはないし、普段は聞こえにくいと感じることもないけれど、ある場面でそういうことを感じる方は少なからずいます。上のような例以外にも、
大事な話をしてたのをちゃんと聞いていなくて相手を怒らせてしまった。
居酒屋のバイトで注文を取るときにこまった。
学校の先生の長い話が途中から聞き取れなくなった。
ケータイで通話をするときに横から話しかけられて困った。
などのエピソードはないでしょうか。
APD/Lid という概念が最近一般の方でも理解がひろまってきました。NHKなどでも特集がくまれ、これに当てはまると心配されて来られる方もときどきおられます。このページでは診断をするというより、この状態を理解してもらうことを目的としてつくりました。
【検査所見】
聴力正常 ティンパノ正常 ・・・検査は特に問題ありません。
【APD/LiDの特徴】
ききとりにくさの問題があっても聴力検査ではひっかからない為、概ね異常なしと言われ、問題を抱えていることが明るみに出にくいことが多いという実態があります。
しかし、騒音下や大人数での会話は困難であるし
早口な人の話がききとりにくかったり、 長い話の内容を覚えにくかったり、
聴覚負荷の大きい場面(うるさい場面)での聞き取りが難しいことがおおいです。
他には、話に集中できない(集中できない・興味が持てない) という面もあったりします。
元来聞き取りにくさは聴力の問題とされることが多く、聴力検査で異常がなかたったならば、異常なしとして問題視されてこなかったのですが、
実はAPD/LiDについては、関連が深いのは脳の認知や集中にかかわる部分といわれており、いくらかその部分に通常とは異なる特性がある可能性があります。
認知機能低下 神経発達症(ADHD ASD etc) 神経発達症グレーゾーン、精神神経系などは関連が指摘されています。
人間の脳の特性には
①思考がまとまらないが発想力が高い分散型 もあれば、
②ひとつのことに固執するが集中力がものすごい発揮できる集中型もあり、
③両方兼ね備えた型もあります。
④、①②③などの特性がないバランス型もあります。
人それぞれ脳の特性には個人差があります。
これがすべてではありませんが、次にあげるような具体的な対処方法は助けになるかもしれません。
【具体的な対処方法】
①環境調整
A.ききとりをしやすくしてあげる。 職場や学校で座席や配置を見直す。話をする時には他の音を消す(テレビなど)手に持っていたスマホをいったん置かせる。やっていることをいったん中断させる。など
B.話し手側の配慮 明瞭に(はっきりと) 繰り返す
C.補助手段の活用 送―受信機 補聴器
②聴覚トレーニング 朗読CD 聞き取り訓練のアプリ
③代償的手法の活用 画像、文字、などの視覚的教材 資料
メモを取る、ボイスレコーダーの活用
④心理的な支援 問題に対するカウンセリング的な対応
こまっている方は、耳鼻咽喉科受診はもちろんのことながら
メンタルクリニックや、発達相談をおこなっているクリニックなどに受診をすすめます。