耳鳴り
【耳鳴りのメカニズム】
まず音は
♪空気の振動→鼓膜→耳小骨→//→蝸牛→蝸牛神経→聴神経→脳♪
つまり 中耳→//→内耳→脳
という順番で脳に伝わっていきます。耳鳴りがなるときは、このどこかに問題があります。
【耳鳴の種類】
〇ポコポコ、ドクドク、自分の声が響いて聞こえる場合
→中耳系統(中耳炎、鼓膜張筋の過緊張、血管雑音etc)の耳鳴り
・・・「実際の音」
▲ボー、キーン、ジー、カンカン、ボアボアなどの音が聞こえる場合
→内耳系統の耳鳴り(いわゆる内耳の障害、聴神経腫瘍etc)
・・・「実際に鳴っていない音」
内耳系統の耳鳴りは実際に鳴っていない音が、「鳴っているように聞こえる」現象です。また、多く場合は内耳の細胞に障害が起こることで耳鳴りがなっているといわれています。
騒音環境で内耳の細胞に持続的なダメージが加わる場合や、動脈硬化や、高血圧、糖尿病、加齢、過労、過度のストレス、自律神経系の乱れなどがきっかけで、血流不足になると内耳障害が起こり、音の情報(電気信号)が減少します。下図の(✖)
そうなると、音の情報を不足した分を補おうとして、脳が別の音(▲耳鳴り)を鳴らしてしまうメカニズムがあります。
(平常時) 内耳♪♪♪♪♪→→→→脳♪♪♪♪♪
(内耳障害時) 内耳♪♪♪♪✖→→→→ 脳♪♪♪♪▲(キーン、ジー、ボー)
また、耳鳴りを意識すればするほど、その音をより集中して聴くメカニズムがはたらき、心理的に大きく聞こえてしまうこともあります。
【耳鳴りの治療】
急性期の症状には、血流改善をさせたり、栄養(VB12)を補う治療、また突発性難聴などの非常に大きな内耳障害を伴うものは急性期にはステロイド治療を行うこともあります。
耳鳴りが慢性化したもの(3か月以上)については、「耳鳴りを気にしなくなる」ところをゴールとして、原因治療は必要以上には行わず、対症療法的に漢方を用いたり、音楽・テレビ・ラジオなどの音を環境音として普段からきき、耳鳴り音に必要以上に注意をいかないようにすることをすすめます。
♪♪♪♪▲ よこい耳鼻咽喉科